2006-01-11 茶臼 [整理作業]
昨日、午前中にちょっと遺物保管庫の整理を実施。旧稚蚕飼育所を改造した建物で、未整理出土遺物やら、寄贈民具が山積みの倉庫ですが、コンテナの山の中に1992年に調査した元境内遺跡第1次調査の際に出土した石造遺物の箱がありました。五輪塔や宝篋印塔、板碑片に混じって石臼が数点。当時は、あまり注意を払わなかったのですが、この間の立野遺跡の調査で茶臼が出土していたので、再点検してみると、茶臼が5点ほどみつかりました(内2点は、非常に石質が良く舶来品か?)。近世18世紀の廃棄土壙より出土していたもので、肥前産の京焼き写し碗(陶器:楼閣山水文)が多量に出土した土壙です。これで、中世と近世の茶臼が揃ったことになります。
元境内遺跡は、禅宗(曹洞宗)の文殊寺境内の遺跡で、当時の禅宗寺院においては、修行の一環として茶礼が頻繁に行われており、その際に使用した抹茶茶碗が、その京焼き写しであると推定しているのですが、抹茶を作る茶臼もやはり出土していました。見る目がないと、ただの石臼として見逃してしまうものだと、反省です。
元境内遺跡出土茶臼(下臼)
元境内遺跡出土京焼写し碗(18世紀第3四半期)
また、1月6日に紹介した、江南町飛来の白鳥。最近では70羽余に達しているようです。白鳥おじさんの出現する日も近いか?
その他、本日、あかねだ氏より、墨書土器「林内」についての情報提供あり。奈文研の墨書・木簡データベースには、該当する文字は無いとのこと。情報提供感謝します。どういう意味なのか気になります。
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