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2006-03-24 報告書刊行 [整理作業]

 先日、「上前原遺跡第2次発掘調査報告書」が刊行となりましたので紹介します。

 今回の印刷では、写真図版にFMスクリーニングという方法を採用してみました。FMスクリーニングとは、網点の大小による再現と異なり、同一サイズのドットの個数と密度を変えることで濃淡を表現する印刷方法で、ドットのサイズは約20ミクロンで175線のフルサイズの網点の2%ほどの大きさです。その微小なドットを濃淡に合わせてランダムに配置したもので、ドットが小さいため、高精細印刷と同様にディティールの再現やグラデーションの表現に優れますが、最も大きな特徴はドットがランダムに配置されているためにモアレが発生しないことを特徴とするものです。したがって、布地など、規則的にパターンが並んでいるようなものの表現には最適のようです。

 今回の遺構写真は、スライドの紙焼、遺物写真はデジカメ撮影のカラーデータで、印刷はモノクロ印刷でしたが、デュオトーン印刷のように、それとは判らず、 仕上がりは自然な感じでなかなか良い感じになったと思います。

 PDFファイルは近いうちに公開します(こちらは、もとデータですので写真類はカラーですが・・・)。


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2006-03-23 埋文諸問題検討会 [会議]

 本日、埼玉県浦和地方庁舎で、年度末ですが、県内各郡市の代表者が出席して、今年度5回目となる、第14回埼玉県埋蔵文化財諸問題検討委員会がありました。 

 議事は、「国庫補助事業における零細企業の採択基準について」及び、「試掘データ類の適切な保存について」等。この他、この委員会では「民間調査機関の導入について」の検討も行っていますが、本日は前2題についての検討でした。

 尚、具体的な議事内容については、当方主催ではないので、控えさせていただきます。とりあえず報告のみにて・・・。


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2006-03-22 編入合併 [その他]

 20日の熊谷市議会で江南町との合併協議会設置の議案が賛成多数で議決。4月1日より合併に向けての協議が本格化しそうです。合併は、来年2月中旬を目標にするとか・・・。来年度は、激動の年度になりそうです。埼玉新聞記事はこちら
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2006-03-17 埋戻し [試掘調査]

 飛ばされそうな強風の中、大字野原地内の試掘調査埋戻しを実施。夕方無事終了。噂にあった戦闘機の残骸は、残念ながら確認できませんでした。

 

 また、本日午後、駒澤大学の学生さんが、Take Out していた立野遺跡第4次調査の遺物・図面を返却にきました。遺物の水洗・注記・実測・事実記載・写真撮影まで終了です。しかも、遺物の実測図は、先生のチェック済み。短期間でご苦労様でした。報告書の刊行はしばらく先になりますが、その際にはまたお世話になります。学部生を卒業しても、(しつこく)今後ともよろしくお願いします。


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2006-03-15 滑走路跡 [試掘調査]

 昨日より継続して、大字野原地内の試掘調査を実施。8本のトレンチを掘り上げ終了。

 先の大戦時に造成された、小原飛行場の滑走路跡と思われる土層断面を紹介します。

 一番上層の砕石は、最近の造成によるもので、その下層のロームを貼った土層の上面を削平しています。このロームを貼った土層は、非常に硬く締められており、層厚は約20cmを測ります。その下層には黒色土が堆積しており、この黒色土の上部には植物質の堆積が確認されます。おそらく、飛行場造成当時の地表面で、埋没谷に堆積した黒色土の表面に、篠類が生えていたのを、刈り込み、路盤面の下に敷いたものと推測されます。そして一番下層は、ソフトローム層となります。

 地形的に傾斜し、軟弱地盤となっていた埋没谷地点を、滑走路とするため、路盤改良したものと推測されます。このような工法は、古代道路にも見られるもので、資材の不足していた終戦期の窮状がしのばれます。

 一応戦争遺産という分類で遺跡に入るのかと思いますが、文化庁指針の発掘調査対象にはならないか?とりあえず、試掘調査なので、土層断面の記録だけは実施。

 明日は都合で作業はお休みし、金曜日に埋め戻します。


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2006-03-14 試掘調査 [試掘調査]

 本日、大字野原地内において、福祉施設建設に伴う事前の試掘調査を実施。対象面積約6000㎡。0.25級バックホー使用。

 試掘箇所は、先の大戦で小原飛行場となっていたと推定される地点で、現状では平らになっていましたが、ロームの地山は、東側へ向かって緩やかに傾斜していました。傾斜地では、黒色土が堆積しており、その上部には硬くしまったローム土が貼られていました。黒色土と貼られたローム土の間には、篠類が堆積しており、滑走路の路盤工法に由来するものと推測されます(まるで古代道路?)。

 小原飛行場は、終戦間際に急遽造成され、熊谷空襲(終戦前夜の1945年8月14日から15日にかけて空襲を受け、熊谷市内の3/4を焼失)の際に空襲を受けたと伝えられていますが、軍事機密に関わるものとして地元にはその資料はまったく残っていません。急造のため、滑走路は舗装されなかったようです。終戦直後の米軍撮影の航空写真には、幅100m、長さ2km程の滑走路の跡が確認され、えんたい壕のあとも現状で数箇所野原古墳群の中に確認されています。

 調査区西側は表土下ですぐハードロームに達してしまうので、西側のロームを削り、東側の低い箇所へ造成した可能性が考えられ、当時の滑走路の工法を知る上で興味深い知見となりそうです。

 ちなみに、山川出版社 『埼玉県の歴史』には、昭和16年、太平洋戦争開戦後には次の7箇所の飛行場が埼玉県内にあったことが紹介されています。

 児玉飛行場・熊谷飛行場・小原飛行場・川田谷飛行場・松山飛行場・坂戸飛行場・高萩飛行場

 そして、これら多くのの飛行場が立地した理由を、『平地林の広がる埼玉の地は、飛行場の開設に向いていた。平地林は空襲などにより東京の倉庫が使用不可能になると、軍需物資の集積所として利用されたものもある。』としています。

 明日も、試掘調査を継続します。



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2006-02-10 試掘調査 [試掘調査]

 本日、小雨降る中、午前・午後それぞれ1箇所ずつ、大字野原地内で、個人住宅建設に伴う事前の試掘調査を実施。年度末のこの時期、当たったらどうしようと思いつつ調査を行いましたが、結果、残念ながら両方とも遺構・遺物の検出はなりませんでした。これも日ごろの行いの良いせいか?

 ちなみに来週、もう1本試掘調査を予定しています。こちらは約6,000㎡はありそうです。年度末なのに・・・。


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2006-03-07 校了 [整理作業]

 「上前原遺跡第2次発掘調査報告書」校正終了。第3校まで予定していましたが、間違いがそれ程無いので、第2校で校了としました。あとは納品を待つだけ。無事、年度内刊行となりそうです

 また本日、駒澤大の学生さんより連絡有。来週、整理のためTake Outした遺物を返却に来るとの事。すでに学生さんは試験休み?お待ちしております。 


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2006-03-06 第2校 [整理作業]

 先週金曜日に入稿した上前原遺跡第2次調査の報告書、本日午後第2校が、早くも印刷所よりあがりました。だいぶ急がせてしまったので、印刷屋さんは土曜日も休まずに仕事をしていただいたようです。今日・明日で校正して。明日夕方には、印刷所へ戻します。

 ここ数日、so-netのBlogは、超高負荷状態が続いており、管理者もほとんどログインできず、更新も止まってしまいがちです。がまんにも限界が・・・。まるでプレミアチケット状態?

 3日より、江南町議会が始まっています。一番の関心は合併問題ですが、初日の3日、熊谷市との合併協議会設置の議案を賛成多数で可決しました。いよいよ合併に向けて再始動のようです。もっとも、合併先の熊谷市は、3月定例会最終日の20日に議案が提案される模様です。ちなみに埼玉新聞の記事はこちらです。


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2006-03-01 初校 [整理作業]

 本日より3月、いよいよ年度末です。補助金をもらっている市町村は、何かと忙しくなる時期です(決して他人事ではありません)。

 夕方に、先月の21日に入稿した「上前原遺跡第2次発掘調査報告書」の初校が、印刷屋さんより届きました。可及的速やかに、年度内刊行を目指し、3日の金曜日には校正して印刷屋さんへ戻します。

 本日はなぜか閲覧者数が伸びています。久々に400名突破。カウンターの故障?とりあずお礼まで

 


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